スネの痛み、2
【疲労骨折】
10代から40代ぐらいのスポーツをやっている
人に多くみられ、特に中・高校生に多く
脛骨や中足骨などの、
足に圧倒的に多く発生する疾患です。
通常なら骨折を起こさないような弱い負荷が、
骨の同じ部位に繰り返し加わることで、
発生する骨折で、
スポーツ活動などによって生じる過労性障害の
代表的なものといえます。
脛骨の 下1/3に発生する疲労骨折と、
シンスプリントのように、
同じような部位や症状ではあるが、
病態が違う障害では、
適切な治療方針を選択するうえで、
早期の鑑別が必要となっていきます。
シンスプリントは、
よくあるスポーツ障害という、
安易な考えによって、
運動量やメニューを変更することなく、
負担をかけ続けることによって、
慢性化してしまい、
強い痛みや運動障害を起こすことがあります。
そして、
シンスプリントだと思っていたものが、
実は疲労骨折だったことも少なくありません。
脛骨の疲労骨折には2種類あります。
①【疾走型の疲労骨折】
ランニングなどの走るような動作が
多い人にみられることが多い。
②【跳躍型の疲労骨折】
ジャンプなどの跳ねるような動作が
多い人にみられることが多い。
このなかで約80%を占めるのが、
①の疾走型の疲労骨折です。
疲労骨折の治療は、
原則的には保存的な治療法で
組織の修復を早めるような電気や、
ストレッチやマッサージなどと、
安静にしていれば多くの例では、
治っていきます。
①疾走型の疲労骨折も、
1か月~3か月程度の運動中止と安静、
適切な治療をしていれば、
保存的に治っていきます。
しかも、
疲労骨折が初期の状態であれば、
より早く治っていきます。
ですが、
安静が守れなかったり、
完全に治ってないのに運動を再開して、
治りが大幅に遅れたり、
骨がくっつかなくなることもあります。
骨折が治った後も、
段階的に運動負荷をあげていかないと、
再発する場合があります。
一般的に疲労骨折は、
安静と的確な治療をしていけば、
治るものですが、例外があります。
それが、②の跳躍型の疲労骨折です。
この骨折は治りがとても悪く、
保存的に治療していくと、
3カ月~6カ月間の運動中止、安静、
それでも約50%がまだ治らない。
痛みがなくなるのは、
1年以上かかるものもあり、
手術することが多いです。
疲労骨折でもシンスプリントでも
痛みや異常を感じた時点で
指導者やコーチに症状を伝えることと、
そういった場合に、
ちょっとしたことでも話すことができる
医療従事者を含めた、
相談相手が大切だと思います。
ちょっとした痛みだからと
安易に考えず、
まずは相談しましょう。(⌒▽⌒)
2016.06.08更新
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